弁護士保険とは？保証期間や補償内容

弁護士保険とは、交通事故などの事故が発生した場合や、遺産の相続分で揉めるなどの法的な事件が発生した場合に、弁護士に解決を依頼した際に発生する費用を保険会社が補填する保険です。

弁護士保険に加入しておくと、事故や事件などの法的なトラブルに遭遇した場合に、費用を気にせずに弁護士に依頼できるようになります。

今回は、弁護士保険の概要や補償内容などをご紹介します。

弁護士保険の必要性

日常生活の中には様々な法的なトラブルが潜んでいます。学校や職場でのいじめ、ゴミ出しなどを理由とする近所とのトラブル、不当な労働環境や解雇などです。

また、交通事故や大規模な火災など、予期せぬ事故に突然巻き込まれることもあります。そうした法的な問題を解決するためには、法律の専門家である弁護士に依頼することが解決の近道です。

しかもトラブルは自分は想定しないところからやってきます。

自分の子供がいじめにあっている、婚約者が不倫している、痴漢冤罪に巻き込まれた、など自分が問題を起こさなくても、周りの人が問題を起こす可能性もあるでしょう。

その一方で、弁護士に事件の解決を依頼するためには、多額の費用が発生します。弁護士費用を賄えないことから泣き寝入りしてしまう場合も少なくありません。

そうしたトラブルに対処するためには、弁護士保険に加入する方法が有効です。

弁護士保険に加入しておけば、弁護士への依頼費用も保険金がおります。

毎月3,000円程度の加入費を支払うことで、もしものときの弁護士費用を払ってくれるのが、弁護士保険のメリット。

補償内容や保険金の限度額について、のちほど詳しく説明します。

弁護士にかかる費用の概要

弁護士に仕事を依頼した場合に一般的に発生する費用としては、以下のものがあります。

• ・弁護士に法律相談をする場合に発生する費用
• ・示談交渉や訴訟の提起などの仕事を依頼する際に発生する着手金
• ・弁護士による示談や訴訟の結果、経済的利益を得た場合に成功報酬として支払う報酬金
• ・裁判所などに書類を提出する際に発生する手数料や、出張のための交通費など

弁護士保険が適用される場合、上記のような弁護士費用が補填されることになります。

注意点として、保険が適用される弁護士費用の内容や割合は、保険によって異なります。支払いの上限額や回数が設定されている場合もあるので、保険の内容は詳しくチェックしておきましょう。

弁護士費用特約との違い

弁護士保険に似たサービスとして、弁護士費用特約があります。

弁護士費用特約とは、自動車の任意保険の加入者が交通事故の被害にあった場合に、弁護士に示談交渉や訴訟の提起を依頼する際に発生する費用について、保険会社が負担してくれるサービスです。

弁護士保険との違いは、弁護士費用特約が適用されるのは交通事故に限られるのに対し、弁護士保険は交通事故以外の事故や事件にも適用されることです。

また、弁護士費用特約はあくまで特約であり、ベースとなる自動車保険に加入しなければサービスを利用できませんが、弁護士保険は単体の保険として加入することができます。

詳しく知りたい方は、「示談交渉の弁護士費用 入っていると安心！「弁護士費用特約」」を参照してください。

弁護士保険の保証の範囲と費用

弁護士保険を選ぶ際の注意点は、全ての事件について弁護士保険が適用されるとは限らないことです。

弁護士保険によっては、保険が適用される事件の範囲を限定することで、低い保険料で保険を提供している場合もあります。

弁護士保険においては、弁護士に依頼する事件について、偶発事故と一般事件の2種類に分けています。

偶発事故とは、突発的で予測が不可能な要因によって発生してしまった事故のことです。偶発事故の例としては、交通事故や火災などがあります。

一般事件とは、予測不可能な要因によって発生した事故ではなく、主として人の意思に基づいて起こった事件のことです。一般事件の例としては、離婚、相続、労働問題、近所のトラブルなどがあります。

多くの弁護士保険では、偶発事故と一般事件の両方を保証の範囲として、保険料を毎月2500円〜3000円程度に設定しています。

弁護士保険の中には、偶発事故の一部のみを保証して、保険料を毎月500円程度に抑えているものもあります。

「事故といった偶発事故だけでなく、いじめ・離婚・パワハラといった一般事故までカバーしたい」という人なら、偶発事故だけでなく一般事故も補償範囲に入っている弁護士保険を選びましょう。

様々な付帯サービスが利用できる場合も

弁護士保険によっては、弁護士に依頼する際に生じる費用を支払うだけでなく、様々なサービスを提供しているものもあります。弁護士保険に付帯するサービスの例としては、以下のものがあります。

弁護士直通の電話によって、一般的な法律アドバイスを無料で受けることができます。
抱えているトラブルが法律問題に該当するかなど、小さな疑問でも気軽に弁護士に相談できるので、法的トラブルの防止や早期解決に繋がります。

弁護士が加入することが法律で義務付けられている組織である、日本弁護士連合会を通じて、弁護士を紹介してもらえます。
抱えている問題を弁護士に相談したいが、誰に相談すればいいか分からない場合に便利なサービスです。

法律相談以外の悩み事がある場合に、様々な分野のカウンセラーに相談することができます。
健康相談、家庭の問題の相談、人生についての悩みまで、幅広い分野について相談することができます。

他にも「弁護士保険に加入している」というステッカーが配布されて、詐欺セールスの撃退や予防をできるといったサービスもあります。

また加入すれば「お米券」といったお得な特典がついている保険もあります。

弁護士保険を検討する場合には、どんなサービスが付帯しているかも考慮して選択するのがおすすめです。

弁護士保険を選ぶなら得意分野をチェックしておこう

弁護士保険は様々な種類があり、それぞれの得意分野が異なります。

例えば痴漢冤罪や痴漢被害に特化した弁護士保険もあります。

毎日の通勤で電車を利用しているけど、痴漢冤罪の被害に遭うかもしれない男性にはピッタリでしょう。

その他には事故・遺産相続・近隣問題・リストラといった幅広いトラブルに対応している弁護士保険もあります。

自分が「特にこの分野には気をつけたい」という項目があれば、そのジャンルを得意として弁護士保険を選びましょう。

「特に気をつけたいジャンルない」というなら、全般的にカバーしてくれる弁護士保険がおすすめです。

弁護士保険に加入するなら待機時間に注意しよう

弁護士保険では、加入してから3ヶ月〜半年などの待機期間が設定されています。

待機期間は弁護士への相談ができません。

待機期間を設定しているのは、すでにトラブルが起きた人が、弁護士保険を利用して弁護士費用を節約するのを防ぐためです。

待機期間は弁護士保険によって異なるうえに、労働・離婚などの相談内容でも変わってくるので、注意しておきましょう。

すぐに弁護士相談したいなら無料相談を活用しよう

もし今トラブルが起きていて、すぐに弁護士相談したい！という状況なら、無料相談がおすすめです。

弁護士保険は加入しても待機期間があるため、すぐに相談はできません。

そこで弁護士事務所であれば、多くの場合は無料相談を実施しているので、まずは無料相談を利用しましょう。

30分〜1時間程度で、自分の相談の概要を伝えて、どのようにすればいいかアドバイスをもいます。

時間内であれば無料で相談できるので、弁護士必要を払う必要もありません。

まとめ

弁護士保険は、交通事故などの事故や相続トラブルなどの事件が発生した場合に、弁護士に依頼した際に発生する弁護士費用を保険会社が負担する保険です。

弁護士保険に加入すると、弁護士費用を気にすることなく弁護士に依頼できるため、法的なトラブルの早期解決に役立ちます。

弁護士保険によって、保険が適用される事件の範囲や保証される金額の割合などが異なります。

弁護士費用だけでなく、無料の法律相談や弁護士紹介制度などの付帯サービスもあるので、様々な条件の中から自分にあった保険を選択するのがポイントです。